AS 9120、EN 9120、SJAC 9120
こんにちは、BSIの緒方です。
航空・宇宙・防衛産業に属する組織は主にAS 9100を取得していますが、商社・物流機能を有する組織向けの規格であるAS 9120はグローバル取引では特に必要とされています。AS 9100シリーズの認証スキームであるAS 9104-1が2022版に改訂され、航空・宇宙・防衛産業のサプライチェーンに属する組織のうち、物流業者など保管や輸送機能を有する企業および商社など商品の仕入れ販売のプロセスを有する組織は、このAS 9120規格の適用が必須となりました。特にグローバルな取引を行う企業は、航空・宇宙・防衛産業とのビジネス開始および継続に際してこの9120認証を取引要件とされることがとても多い状況です。
このAS 9120規格が目的とする考え方の一つとして、不正品・模倣品のサプライチェーン 内での混入を防ぐことがあります。航空機を例に考えてみると20年以上の運行期間があり、その間に正規品の製造が終了したり、市場に代理となる製品が登場するといった状況から、あるパーツが知らぬ間に模倣品に置き換わってしまうといったことがしばしば発生しています。模倣品ないし不正品を使用したことにより事故につながった事例が発生していることから、今日ではIAQGに参加している主要な企業はこの9120規格を取引要件としているのです。
自組織で管理しているプロセス内で不正品・模倣品が混入する経路は、改めてあらゆる可能性を考えてみると意外に多いことに気づくと思います。9120規格の認証取得のきっかけはお客様からの取得要求であることが多いですが、規格要求事項の適用を通じて、知らぬ間に不正品を扱ってしまうような自社ビジネスリスクの低減、また業務プロセスの有効性や妥当性のチェックを行ってみてはいかがでしょうか。
BSIグループジャパンは、AS/EN 9100、9110、9120審査のリーディングカンパニーです。
緒方 心太郎
自動車セクター規格 IATF 16949、航空宇宙防衛産業セクター規格AS/EN/JIS Q 9100を中心にモビリティ業界の規格を担当。
PAS 2060/ ISO 14068 カーボンニュートラル実証、ISO 27001情報セキュリティマネジメントシステム規格などモビリティに関連する規格サービスの総合提案を行っており、ISO21434 自動車サイバーセキュリティ規格、TISAX®審査サービスの立ち上げなど新規サービス開発も担当