AS9100、EN9100
こんにちは、BSIの緒方です。
航空・宇宙・防衛産業のサプライチェーンに属する企業に必須のAS 9100シリーズですが、同じ9100規格でも日本ではJIS Q 9100、世界ではAS 9100、EN 9100、という名称で呼ばれていることをご存じでしょうか?それぞれ別の規格のように見えるためとてもお問合せが多いのですが、実はどれも全く同じ効力を有していることをご紹介します。
91xxシリーズは航空・宇宙・防衛産業の主要企業が参画・運営しているIAQG(International Aerospace Quality Group)が発行・管理している規格です。このIAQGは世界の各エリアで管轄支部が分かれており、南北アメリカはAAQG、ヨーロッパはEAQG、日本を含むAPACエリアはAPAQGがそれぞれ管理しています。審査機関はこの管轄支部に属する認定機関から認定を得て、認証取得を希望する企業の審査業務を行っているのですが、審査~認証発行に際して申請を行う管理支部がどこかによって、規格の頭文字のイニシャルが変わる、という仕組みになっています。
日本で活動する審査機関は基本的にAPAQG管理下の認定機関(JAB)で申請を行うためJIS Q 9100の名称になりますが、BSIはイギリス、アメリカのグループ拠点で一括して申請しているため、BSIジャパンで受審いただいた企業にはAS 9100またはEN 9100の名称で規格が発行されます。
この頭文字のイニシャルの差は上記の通り審査機関がどの管轄支部の認定機関に申請を行うかの違いしかないため、規格の内容や効力には関係がありません。発行される認証書自体にも、それぞれの規格は技術的に同等であるということが明記されています。そのため、お客様にEN 9100を取得することを要求された場合に、発行する規格がAS 9100でも全く問題ない、というわけです。
上記のように、現在9100規格は名称が分かれていますが、近い将来統合する計画が進んでいます。そうなれば規格を利用する皆さまにとってはより分かりやすくなりますね。
なお、9120規格はAS、ENの頭文字ですが、APAQG管轄の申請ではSJACの名称になります。また、9110規格はAS、ENのみとなり、2024年3月1日時点ではは海外拠点での申請を行う審査機関だけが審査を行えます。もし認証取得をご検討の際はぜひBSIまでご連絡ください!
BSIグループジャパンは、AS/EN 9100、9110、9120審査のリーディングカンパニーです。
緒方 心太郎
自動車セクター規格 IATF 16949、航空宇宙防衛産業セクター規格AS/EN/JIS Q 9100を中心にモビリティ業界の規格を担当。
PAS 2060/ ISO 14068 カーボンニュートラル実証、ISO 27001情報セキュリティマネジメントシステム規格などモビリティに関連する規格サービスの総合提案を行っており、ISO21434 自動車サイバーセキュリティ規格、TISAX®審査サービスの立ち上げなど新規サービス開発も担当